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【最終回】茶がらもお野菜?干すとおにぎり4個分になるおはなし。|美人冷蔵庫LIFE 福田かずみの食品ロス削減コラム

食品ロス削減アドバイザー/冷蔵庫収納家の福田かずみです。
まもなく2020年が終わりますね。今年は、コロナ渦でほとんどの方の行動に制限がかかり、家庭で多くの時間を過ごされたと思います。

働き方にも大きな変化をもたらしました。中でも在宅での勤務が増えたことは、これまでに費やしていた通勤時間を、家事に充てられるようになったのではないでしょうか。

食事づくりのシーンでは、買い物の仕方が変わり、家にある食材を使いきるための創意工夫が生まれたように感じます。この体験が、これからの”新しい 習慣” になっていくことを願っています。

新しい習慣といえば、このコロナ渦で私も身に付けたことがあります。

在宅で仕事をしていると、とにかくお茶を何杯も飲むのですがその茶がらを捨てる際に、あるルーティーンが加わりました。

コーヒーや紅茶、緑茶に子ども達が飲む麦茶もあわせると、毎日沢山の茶がらやコーヒーかすを捨てていました。それらには多くの水分が含まれていて、生ごみを重たくさせていました。
なので、捨てる際にはできるだけ絞っていたものの、何となく気になっていたのでした。

そこで、園芸用の土フルイを活用して干してみることに。

天気の良い日なら、1日でカラカラに乾き思った以上に軽くなりました。1パックあたりどの位の水分が蒸発したのかと計ってみると・・・

重さ30gのコーヒーパックが、干した後にはたった8gに。干すことにより、言うなれば22gのごみ減量に寄与することになります。

生ごみは、約8割が水分と言われますがまさにその通りでした。

1日5杯飲んだと仮定して、1日のゴミ出しに減らせた重量は110gとなり、4日に一度のゴミ出しを考えると、おにぎり4個分になります。
これを食品ロスかどうかはさておき、毎回おにぎり4個分のごみを減らせたようでとても価値のあることに思えました。

在宅で過ごす中、自分と向き合う時間が沢山生まれました。その中で、日頃気がかりだったことに時間を使うことができ、これからの生き方を変える良い機会となりました。

 

茶がらやコーヒーかすの捨て方を生き方と表現するのは、大袈裟ですけどね。

 

最後に、茶がらを使った一品を紹介しましょう!
緑茶の葉には、カテキンやビタミンなど多くの栄養が含まれています。ところがご存知でしょうか。私たちが飲んでいる緑茶には、茶葉に含まれる栄養のたった3割しか抽出されていないということを。

残りの7割は、脂溶性の栄養なので茶がらに残ってしまうのです。茶がらは、まだ栄養たっぷりな食材ということなのですね。
ならば、これは食品ロスと言っても良いのかもしれません。
ということでちょっと視点を変えて、茶葉はみじん切りの干し野菜と捉えてみましょう。

すると、”茶がらも食べられる野菜”と認識できるかもしれませんね。

では、茶がらを最大限に美味しくいただけるレシピを。
「鶏の茶がら揚げ」はいかがでしょうか。

鶏肉を一口大にカットし、酒・醤油・生姜とニンニクの擦りおろしで下味をつけたら、茶がらを加えまんべんなく馴染ませます。

ポイントは、粉をまぶす前に茶がらを加えることです。粉をまぶした後ですと、水分の多い茶がらはダマになってしまいます。

鶏肉に茶がらと小麦粉を馴染ませたら、あとは180℃の油でカラリと揚げてください。

「鶏の茶がら揚げ」の完成です。
先ほどもお伝えしましたが、茶がらに残った栄養は脂溶性ですので油を使った料理にすると身体への吸収率がよくなります。揚げ物は、茶がら料理にピッタリなのですね。
他には、ちくわやかき揚げに加えるのもオススメです。

私たちは、毎日何かを買って消費しています。食べものでいうなら、食材を買って料理をして食べる。そんな中でも、何かしらのごみが発生しています。捨てられたごみは、地球の環境を壊しながら燃やされています。

この捨てるという行為に、責任をもってみる。捨てた先に起こることを想像してみると、毎日見える風景も変わってくることでしょう。

今年4月から、食品ロス削減コラムを書かせていただき今月が最終回となりました。冷蔵庫の収納法やお料理のテクニック、もったいないレシピなどを紹介させていただきました。
その裏にある本質は、食べものを大切にする暮らしの実践でした。
そして、食べものを大切にすることは、自分自身を大切にすることに通じるように思います。
まだまだ不安な日々が続きますが、どうぞ食べものとともにご自愛ください。

参照:東京慈恵会医科大学附属病院栄養部 監修 「その調理、9割の栄養捨ててます!」

美人冷蔵庫LIFE 福田かずみの食品ロス削減コラム

美人冷蔵庫LIFE 福田かずみの食品ロス削減コラム

食品ロス削減アドバイザー/冷蔵庫収納家 福田かずみ

1968年 神奈川県生まれ。 夫・長男・長女と4人家族  横浜市在住。

結婚、出産を経て、2人の子どもを育てながら、料理研究家フルタニマサエ氏のもと料理教室、TV・料理本の撮影アシスタントなどを経験し全国料理学校協会の認定講師となる。同時に、服部栄養専門学校にて食育を学ぶ。

仕事と子育てをこなす多くの方が、気持ちよく食事づくりができる環境に焦点をあて研究。
ストレスフリーの冷蔵庫整理収納術を構築。WEBサイト【美人冷蔵庫LIFE】を立ち上げ、料理家から冷蔵庫収納家に転身する。

昨今、大きな社会問題となっている”食品ロス”。家庭の冷蔵庫から食料廃棄をなくす啓発活動にも積極的に取り組んでいる。